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住んで気づく!新築住宅におけるニッチのメリット・デメリットとは?

新築の家づくりでは、「ニッチ」の設置を検討する方が年々増えています。壁をくり抜いたような小さなスペースに、インテリアや収納、照明などを組み合わせて活用するニッチは、おしゃれで実用的な空間として人気です。しかし、実際に住んでみて「便利だった!」という声がある一方で、「使わないまま物置きになった…」と後悔する人も少なくありません。

「飾り棚として映えるけど、掃除が大変そう」「玄関やキッチンに設置したら生活動線はどうなる?」といった疑問や、「照明付きにすればよかった」といった後悔ポイントも聞かれます。ニッチはアクセントにもなりますが、場所やサイズ、使い方を間違えると失敗にもつながります。

この記事では、新築住宅で実際にニッチを取り入れた人のリアルな声をもとに、メリット・デメリットの事例紹介や、おすすめの設置場所・サイズの考え方などをわかりやすく解説します。住まいづくりの段階で「どこに」「何を目的に」ニッチを作るかを明確にすることで、満足度の高い家に仕上げることができますよ。

【今回の記事のポイント】
✔︎ 実際に住んでわかった「ニッチのよかった点・後悔した点」をリアルに紹介
✔︎ 玄関・トイレ・リビングなど、設置場所別の活用アイデアと注意点
✔︎ 後悔しないために知っておきたい、サイズ・奥行き・高さの決め方と設計のコツ

目次

 

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新築住宅におけるニッチとは?その基本と役割を解説

「新築の家づくりで“ニッチ”を取り入れるべきか迷っています」
そんな声をよく聞きます。ニッチとは、壁の一部をくぼませて空間を作る施工方法で、飾り棚やスイッチ周辺の収納、アクセントとして使われることが多いです。場所によってはインターホンやリモコンのまとめスペースとして活用されることもあります。

おしゃれで実用的な空間を演出できる一方で、設置場所やサイズを誤ると「使いづらい」「しまった!」と後悔するケースもあります。この記事では、ニッチの特徴や設置のポイント、よくある使い方を一覧形式で紹介しながら、家づくりの段階で知っておきたい基本情報をわかりやすく解説していきます。

ニッチって何?インテリア用語としての意味

「そもそも“ニッチ”って何?」という疑問を持つ方も多いと思います。ニッチ(niche)とは、本来「隙間」や「壁のくぼみ」といった意味を持つ言葉。住宅インテリアの中では、壁面にくぼみを設けて作られる収納・飾りスペースのことを指します。

特に新築住宅では、スイッチ周辺をすっきり見せるスイッチニッチや、玄関・トイレ・キッチン周りなどに設ける飾り棚的なニッチが人気です。空間に奥行きや陰影を生み出せるため、照明やタイル、クロスで演出を加えることでインテリアのアクセントとしても活躍します。

収納というよりも「見せる場所」として活用されることが多く、サイズや配置、用途をしっかり考えることがポイントです。

なぜ新築でニッチが注目されるのか?

新築住宅においてニッチが注目される理由は、大きく3つあります。
1つ目はデッドスペースの有効活用ができること。階段下や廊下など「家具を置くには狭いけど、空けたままではもったいない」といった空間に、ニッチを取り入れることで、機能とデザインを両立できます。

2つ目はおしゃれなアクセントになること。クロスや照明を組み合わせれば、住まいの雰囲気をグッと引き締めてくれます。モデルハウスのような「ちょっとしたこだわり」が感じられると、来客時にも好印象を与えます。

そして3つ目は生活動線や収納動線の補完です。リモコンやインターホン、鍵など、毎日触れる小物をまとめて配置することで、「どこに置いたっけ?」というストレスを減らせます。

ニッチと飾り棚の違いとは?

ニッチと飾り棚(シェルフ)は一見似ていますが、構造と目的が異なります。

ニッチは壁の中に作る“くぼみ”で、出っ張らないため空間をすっきり見せる効果があります。対して飾り棚は壁の外に棚板を設置するもので、収納力はありますが、出っ張りや圧迫感が出やすいのが特徴です。

また、ニッチは新築時やリフォームの施工段階で壁に組み込む必要があるため、事前の計画が重要です。一方、飾り棚はあとからでも取り付け可能で、取り外しや模様替えもしやすいというメリットがあります。

見た目の「すっきり感」や「統一感」を大事にしたい方には、ニッチがおすすめ。逆に収納量を求めるなら飾り棚の方が向いているでしょう。どちらを採用するかは、部屋の目的や家族の暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。

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ニッチを取り入れて「よかった」と感じたメリット3選

ニッチを新築住宅に取り入れた人たちの中には、「これは正解だった!」という声も多数あります。見た目がすっきりしておしゃれなだけでなく、生活の中で実用的な役割も果たしているのがニッチの魅力です。とくに玄関・リビング・スイッチ周りなど、設置場所と使い方が合えばメリットはかなり大きいです。

ここでは、実際に住んでから「ニッチを作ってよかった!」と感じた3つの具体的なポイントをご紹介します。

玄関のニッチでおしゃれな第一印象を演出できた

「玄関にニッチを作ったのが一番のお気に入りポイントです」
そんな声はとても多く聞かれます。来客が最初に目にする玄関は、住まいの“顔”とも言える場所。そこにちょっとしたニッチを設置することで、空間の印象をグッと引き上げる効果があります。

鍵やハンコ、マスクなどの置き場として使えるだけでなく、季節に合わせた飾りやお気に入りの雑貨を並べることで、自分らしいインテリア空間を演出できます。照明やタイルでアクセントを加えることで、モデルハウスのような仕上がりにも。

また、出っ張らない構造なので動線の邪魔をせず、すっきりと見せられるのも魅力。家族全員が使いやすく、見た目も整う万能スペースとして、玄関ニッチは非常におすすめです。

スイッチニッチで生活動線がスッキリ

スイッチ周りがごちゃつきがちな家庭に人気なのが「スイッチニッチ」。リモコン、インターホン、照明スイッチ、給湯器などがバラバラに配置されていると、見た目も雑多で使いづらいですよね。

そんなとき、壁をへこませたニッチの中にそれらをまとめて配置することで、見た目の統一感が出るうえに操作もスムーズになります。子どもでも「ここを押せばいい」とわかりやすく、家族全員の使いやすさがアップするのもポイントです。

さらに、余白にメモやペン、小さな雑貨を飾れるようにすれば、ちょっとしたインフォメーションスペースとしても活用可能。生活感を抑えながら実用性をキープできる設計方法として、多くの注文住宅で採用されるのも納得です。

季節の飾りを気軽に楽しめる場所ができた

「ニッチがあると、暮らしに季節感が生まれるんです」
そんな嬉しい声も多く見られます。リビングやダイニングなどの壁面に設けたニッチは、ちょっとした飾り棚として四季のアイテムを置くのに最適。たとえば、ハロウィン、クリスマス、お正月などイベントごとに雑貨を変えるだけで、部屋の雰囲気が一気に華やかになります

ポイントは、“飾っても圧迫感が出ない”ということ。壁の中に収まるニッチだからこそ、空間を邪魔せず、奥行き感のあるディスプレイが実現できます。

また、背面にタイルやアクセントクロスを取り入れることで、インテリア性もぐんとアップ。家族や来客の目を楽しませる、ちょっとした工夫が詰まった空間として、非常に満足度が高い活用法です。

 

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実は後悔?ニッチのデメリットとその理由

ニッチには多くのメリットがある一方で、「思っていたより使いづらかった」「掃除が大変だった」など、設置後に後悔したという声も一定数存在します。とくに、新築の段階でしっかりと用途や設置場所、サイズ感を考えなかった場合に“失敗した”と感じる方が多い傾向にあります。

ここでは、実際の事例を交えながら、「これは予想外だった…」というリアルなデメリットを解説していきます。

掃除が意外と面倒!ホコリがたまりやすい場所に…

「かわいいから作ったけど、掃除が面倒すぎた…」という声が多いのがこのパターン。ニッチは壁の中に作るくぼみなので、空気の流れが滞りやすく、ホコリがたまりやすい構造になっています。とくに玄関や階段付近など、空気が動く場所では気づけば“ホコリのたまり場”になっていた…というケースも。

また、ディスプレイ目的で雑貨や小物を置いていると掃除のたびに一つひとつ取り外す手間も発生します。タイルを貼っていると、汚れも落ちにくい場合があるため注意が必要です。

「毎日サッと拭き掃除できる」「そもそもホコリが溜まりにくい設計にする」など、事前に掃除のしやすさまで考えて設計することが、後悔を防ぐコツになります。

使い道が定まらず“ただの空間”になった

「とりあえず付けたけど、何を置くか決めてなかった」
これもニッチでよくある失敗です。見た目のアクセントとして「ここ、ちょっと空いてるからニッチを入れておこう」と何となく設置した結果、“使われない空間”になってしまったというケースは意外と多いです。

設置場所にもよりますが、活用目的がないニッチは、空間を持て余す原因にもなりがち。とくにリビングやダイニングなど人目に付きやすい場所で中途半端に空いていると、「何か飾らなきゃ…」というプレッシャーにもなります。

そのため、“何を置くか”を具体的に決めてから設計するのが鉄則です。飾る・収納する・照明をつける…目的が明確であれば、見た目にも機能にも満足できるニッチになります。

デザイン重視でサイズや高さが中途半端に

「見た目はおしゃれだけど、使いにくい…」というのもニッチあるあるです。設計段階でインテリアの雰囲気やクロスに合わせて“映えるデザイン”を優先してしまい、実際に使ってみると高さが合わない、奥行きが浅い、物が置けないといった後悔が出てきます。

たとえば、リモコンを置くつもりで作ったのに奥行きが足りなかったり、子どもが届かない高さにスイッチが来てしまったりと、生活とのズレが生じやすいのがニッチの落とし穴です。

ニッチは見た目と機能のバランスが非常に重要。設置場所の用途や動線に合わせて、高さ・幅・奥行きを「ミリ単位」で設計するつもりで考えることが成功のカギになります。

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ニッチを成功させるための設置場所とサイズのポイント

ニッチを取り入れて成功するためには、「どこに作るか」「何のために使うか」を明確にすることがとても大切です。適当に作ると、後悔や使いにくさの原因になります。特に新築では生活動線・視線の高さ・収納や飾る物とのバランスを考えながら設置することがポイントです。

このセクションでは、場所別におすすめの設置ポイントやサイズ感をわかりやすく表にまとめ、後悔しないニッチの作り方を解説していきます。

玄関・リビング・トイレ別のおすすめ位置とサイズ

ニッチを設置する場所は家の中でもさまざまですが、特に人気なのが「玄関」「リビング」「トイレ」です。場所によって使い方が変わるため、それぞれに合った位置とサイズの設定が重要です。

  • 玄関:訪れた人の目に入りやすいため、目線の高さ(約120〜130cm)に配置するのが基本。奥行きは10〜15cmほどで、鍵・印鑑・季節の雑貨などを置くのにちょうどよいサイズ感です。

  • リビング:壁のアクセントとしてニッチを使うなら、横長にして奥行きを浅くするのがスマート。テレビ横やソファ背面の壁に配置し、間接照明と合わせるとぐっとおしゃれに見せられます。

  • トイレ:トイレットペーパーの予備や芳香剤などを置く実用スペースとして使われることが多く、腰高あたり(約90cm)に設置し、奥行きもしっかり確保するのがコツです。

これらの位置・サイズは、実例の多い“ちょうどいい”バランスとして参考になります。

よくあるニッチの高さ・奥行きの目安とは?

ニッチのサイズを決める際、「高さ」「奥行き」「幅」それぞれに注意が必要です。特に奥行きが浅すぎると何も置けず、深すぎると圧迫感が出るなど、ちょっとした差で使い勝手が大きく変わります

【目安としておすすめのサイズ】

  • 高さ:30cm〜60cm(ディスプレイ用)、90cm(腰高)

  • 奥行き:8〜15cm(浅めで掃除しやすい)

  • :20〜60cm(場所に合わせて調整)

インターホンやスイッチなどをまとめる「スイッチニッチ」の場合は、高さ120〜130cmが使いやすく、操作性も良好です。逆に、小物を飾るだけなら目線よりやや下、100cm前後に配置すると自然な視線に収まりやすくなります。

何を置くか・何を入れるかを事前に想定しておくと、サイズ決定が格段に楽になります。

失敗しないために考えるべき生活動線

ニッチの設置で見落とされがちなのが、「生活動線との相性」です。どんなにおしゃれに作っても、動線の邪魔になってしまっては本末転倒。家族の行き来や日常の動きの中に自然に組み込める場所に作ることが大切です。

たとえば、玄関ドアの開閉に干渉する位置にニッチがあると、荷物を持ったまま物を出し入れしにくくなったり、使い勝手が悪くなったりします。また、キッチン横の壁に設置する場合も、調理中に動きやすいスペースをしっかり確保する必要があります。

設置前に「ここに物を置いたら、どう動く?」「子どもが走り回ったら邪魔にならない?」と、具体的な生活シーンを思い浮かべて計画することが成功の鍵です。

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ニッチは本当に必要?向いている人・向かない人

「ニッチって本当に必要なの?」という疑問は、新築住宅の計画中に多くの方が持つものです。おしゃれな空間を演出できる一方で、実用性が薄かったり掃除が面倒だったりすることもあり、万人向けではありません

ここでは、ニッチが「合う人」と「合わない人」の特徴を比較しながら、自分や家族の暮らしに合っているかを考えるヒントをお伝えします。

おしゃれが好きな人にはぴったり

インテリアや雑貨が好きで、「住まいにも自分らしさを表現したい」と思う方にとって、ニッチは最高の味方です。
壁の一部に設けるだけで、タイル・クロス・照明などのデザインでおしゃれに魅せる“見せ場”が作れるので、インスタ映えする写真を撮りたい人にもぴったり。

また、玄関・トイレ・リビングなど場所を選ばずアクセントにできるため、家全体のデザインバランスを取りやすいのもメリットです。
「市販の家具はちょっと違う」「こだわった家づくりがしたい」と考える方には、ニッチという小さな空間が、満足度の高い仕上がりを叶えてくれます

シンプル派には「ない方がスッキリ」かも

一方で、「とにかくスッキリとした家が好き」「物は最小限で暮らしたい」というミニマリスト志向の方には、ニッチは合わない可能性があります

理由はシンプル。ニッチは基本的に“見せる収納”なので、物を置かなければ逆に“空白”が目立つ空間になってしまうからです。「使い道がなくてずっと空っぽ」「物を置かないと殺風景になるけど、飾るのは面倒」という声もあります。

また、掃除が増えることがストレスに感じやすい方も、汚れが目立ちやすいニッチは向いていないケースが多いです。潔く「ニッチは作らない」という選択も、家づくりにおいては立派な判断のひとつです。

家族構成や子育て期によって変わる利便性

ニッチの便利さは、家族構成やライフスタイルによっても大きく変わります。たとえば、小さなお子さんがいる家庭では、ニッチの位置が高すぎると子どもが届かず使えない、逆に低すぎるとぶつかって危ないといったリスクも。

また、高齢のご家族がいる場合も、掃除や手入れのしやすさを考えた設計が求められます。使う人の年齢や生活リズムに合わせた高さや奥行きにすることで、ニッチの良さがしっかりと活かされます。

一方で、子育てが一段落したタイミングでニッチにインテリアを飾るという方も多く、「暮らしの中に彩りを取り戻せた」という声も。
つまり、ニッチが向いているかどうかは、「今の家族構成」だけでなく「これからの暮らし方」まで見据えて考えることがポイントです。

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まとめ:住んで気づく!新築住宅におけるニッチのメリット・デメリットとは?

新築住宅の家づくりにおいて、ニッチの設置は“ちょっとしたこだわり”を形にできる要素として人気があります。
おしゃれでインテリア性の高い空間を作れることは大きな魅力ですが、実際に住んでみると、使い道が曖昧だったり掃除が手間だったりと、後悔につながるケースも少なくありません。

この記事では、ニッチの基本的な役割や設置ポイント、住んでからわかったリアルなメリット・デメリットについて詳しく解説しました。また、玄関・トイレ・リビングなどの場所別のおすすめ設置方法やサイズの目安、家族構成による向き不向きについても紹介しています。

結論として、ニッチは「どう活用するか」を事前に明確にしておくことが成功のカギです。設置する目的・位置・デザイン・サイズを“暮らしに合わせて”考えることができれば、満足度の高い住まいが実現できます

「おしゃれにしたいけど、無駄にはしたくない」と迷っている方は、この記事の内容を参考に、後悔しない家づくりの一助にしてくださいね。

監修者情報
佐藤 隆(一級建築士・一級建築施工管理技師・宅地建物取引士・千葉市耐震診断士・既存住宅状況調査技術者(インスペクション))

監修者

タクト設計事務所で契約されるお客様の多くは、私たちの提案を「驚きのプラン」とおっしゃいます。それは、これまでの4000棟以上の設計実績からのご提案。お客様が毎日わくわくできるような住まいづくりのお手伝いをさせていただきます。ご相談もモデルハウスご見学もお気軽にどうぞ。

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