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社長のひとり言

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第 15 回  建築紛争(トラブル)について

今回は、弊社にも相談の多い建築行為上のトラブルについて、代表的な内容から2つほど事例を挙げてお話ししてみたいと思います。 特にこれから新築をお考えになっている方は必読です。(トラブルに巻き込まれない為にも・・・) 。

一つ目は、地盤調査とそれに伴う地盤改良工事、さらには、隣接する土地との高低差の処理の方法です。
地盤調査というのは、わかりやすく言うと、建築行為をする土地の地盤が建物を建てた後に沈下しないで建物を支持するだけの強度があるかを調べるもので、仮に「強度不足」と判定されれば、何かしらの地盤改良工事をしなければなりません。これには柱状改良や表層改良・・・etc といった感じにいろいろあります。その方法については建築士が判断し、その方法を決定します。現在は建物を保証する協会が自ら地盤調査をするくらい一般的になっていますが、もしやっていないところがあるのならば、大至急調査をされることを勧めます。

今回のトラブルは、調査はきちんとして、かつ、改良工事をしたのにもかかわらず、建物が不等沈下してしまった案件を紹介します。

この敷地は隣接する土地との間に高低差があり、擁壁を造って造成された土地であります。擁壁をつくる時に盛土をした訳ですが、その後、建築行為をするにあたり、杭を打って柱状改良をしたのですが、その支持杭の下端が支持層(基の地盤)に達しておらず、経時変化と伴に盛土部の地盤が沈下し、その支持杭もいっしょに沈下してしまったことによる不等沈下の例です。
結果的にこの分譲住宅は不等沈下をとめることができず、ビルダー側がこの家を買い戻し、建物を解体して改めて杭を打ち直す・・・といった大がかりなトラブルになってしまいました。

この事例からの教訓は、ただ地盤改良をすればいいというものではなく、その施工内容をよく吟味することが大切だということです。

二つ目は、建築基準法では定規されていないもので、民法上のトラブルになってしまう事例です。

建物の配置を決定して工事にとりかかったわけですが、建築当初は隣地境界から1m離して建物を建てて、工事途中で出幅30cmの出窓を追加して工事が完成します。15完成後、出窓(正式には窓面)から隣地境界までは70cmしかありません。民法(第235条)では、離れ1m以下の窓には目隠しパネルを取り付ける様規定されています。この場合は建築士が民法上の説明をクライアントにしなかった事に依る単純なミスで、隣家から指摘を受け、結局、せっかく出窓を設けたのに窓に目隠しパネルを付けなければならなくなり、『何の為に出窓をつけたのかわからない・・・』となってトラブルになった例です。

ただ、この例は、お互い様・・・といったところもあり、既存の建物ですら離れ1mを切っている家も多く見受けられ、今の住宅事情を考えればやむを得ない所もあります。
ただ、「民法第234条」は「隣地境界から建物までの距離は50cm以上離さなければならない・・・」と規定されているので、少なくとも建物本体は有効で50cm以上は離す様配置をすることが必要です(防火地域を除く)。

この他にも様々なトラブルがありますが、この様なトラブルに巻き込まれない為には、信頼できる建築士や工務店と密に打合せをすることが必要だと思います。
かと言って、せっかくの夢のマイホームを戦々恐々と考える事はありません。
トラブルになる基にはいくつかのポイントがあるのです。
そのポイントをしっかりおさえておけば大丈夫です。
弊社タクト設計事務所に御連絡いただければ、あなただけにこっそりお教えします。
一つ言えるのは、誰もトラブルを起こしたくて起こしている人はいない訳で、ちょっとした勘違いや説明不足、判断不足で起こる事がほとんどなのです。

次回は『マイホームは「住宅メーカー」と「工務店」どちらで建てる方が得か・・・』です。


第 14 回  面白い建築用語 2

皆さんが日常会話で使う用語で、わかっている様で実はそれが何なのかわかっていない建築用語について少しお話ししてみたいと思います。

意外と普段使っている言葉が実は建築用語から派生したものが多いのです。それだけ建築行為が我々の生活に密着していることの証拠かもしれません。
今回はそんな建築用語を2つ紹介してみます。

一つは「こけら落し」という用語です。
例えば、新築された劇場で「こけら落しコンサートがあります」というフレーズを度々耳にします。漢字で書くと「柿落し」と成ります。この「こけら」とは何でしょうか?実は昔の建物は木造が多かった為、工事中の木くずや木片が屋根に残っていて完成時にきれいに払いのける行為に由来しているのです。
「柿」を払ってきれいにする=完成
「柿落しコンサート」=「完成記念コンサート」となるのです。
厳密には「柿落し」は劇場にのみ使われる用語で球技場やショッピングセンターの完成時に使われません。その場合は「落成式」とした方が正しいでしょう。

二つ目は「しきい」という用語です。
例えば、あの店は高級品ばかりで「しきいが高い」とか、「二度とうちのしきいをまたぐな!」というセリフ。漢字で書くと「敷居」と成ります。この「敷居」とは扉や引き戸の枠の下の部分をさします。昔の住宅はこの「敷居」が一段高くなっていて、ここをまたいで部屋や家に入っていたのです。
敷居が高い=またいで入るのが大変(入りづらい) から派生した言葉です。
又「二度とうちの敷居をまたぐな!」なんて言葉は「二度とくるな」という意味になります。
今の建物はバリアフリー化が進んでこの敷居のない家も増えてきていますので、そのうちこの「敷居」という言葉は死語になってしまうかもしれませんね。

当社、タクト設計事務所では写真の様に敷居を「低〜くして」皆様のお越しを心よりお待ちしております。

次回は「建築紛争(トラブル)についてです。


 第 13 回  職人さんの知られざる世界

「親方・日の丸」・・・この言葉を聞いたことのある人も多いと思います。これは何を意味するものだと思いますか?
昔の格言になりますが、「日の丸」は文字通り国旗を表しており「国」を意味します。つまり、憲法などの秩序を示すもので、ある意味「権力」の象徴として捉えることができます。
これと肩を並べる「親方」・・・って一体何でしょうか?

昔は職人として一人前になる為には、丁稚奉公(でっちぼうこう)の様にして親方のもとで何年も仕事の見習いをしたものでした。つまり、親方は文字通り「親」の様な存在であり、かつ絶対的権威を持った存在だったのです。

私の知っている大工さんで「父親」と一緒に仕事をしている方がいます。普段は口ゲンカや反抗をしているその息子さんも仕事中になると一変、「おやじ」ではなく「親方」と呼んで、口答えをすることもありません。
その息子さんに一度、実の父親に向かって「親方」と呼ぶことに抵抗はないか聞いたところ、その応えは「まったくない・・・」というもので、仕事に関しては父親の「腕」は一流だと思っているし、それを教えてもらうわけだから当たり前だと思う・・・とのことでした。
自分の父親の腕を一流だと言い切る態度とその謙虚さに頭が下がる思いでした。
実際にその「父親」の腕は確かに一流で、その息子さんの腕ももう十分一流の域に達していると思うのですが、本人曰く「まだまだ・・・」なのだそうです。
職人さんの世界は実に奥が深い。

話は変わりますが、皆さんは夏と冬でどちらが職人さんの作業効率がいいと思いますか?
夏の方が寒くなく日照時間が長く夕方遅くまで仕事ができる為、夏の方が作業効率がいいような気がしますが、実際は暑さで体力の消耗が大きく、作業時間の割には仕事の進み方は冬に比べると落ちるのだそうです。
60歳を過ぎて今、なお現役の方も多くいますし、夏、暑く、冬、寒い中で作業をされる職人さんには本当に頭が下がります。

最後に、職人さんの腕の良し悪しを判断する一つの物差しをお教えしましょう。これは私の経験値であり絶対的なものではありませんが、大体あっていると思います。

それは、現場の整理整頓状況です。

現場がきれいな職人さんで腕の悪い人はまずいません。
逆に、使った材料や道具がそこら辺に散乱している人は、神経も散漫で細かいことに気を使って工事をしてくれません。何よりもその材料や道具で仕上げにキズをつけたりする危険性も高くなり、結果として補修することも多くなるのです。
職人さんの腕=ちょっとした気遣いの出来る人 という方程式が成り立つのではないでしょうか?

今、工事を依頼されている施主さん。
職人さんに敬意を込めて「寒い中本当にお疲れ様です」と声を掛けつつ、横目で現場の整理整頓状況をチェックしてみてはいかが?あなたの家の仕上がり具合がわかると思いますョ。

次回は「面白い建築用語2」です。


 第 12 回  室内のインテリア

「室内のインテリア」と聞いて、皆さんはまず何を想像するでしょうか?
高級ホテルのサニタリールームの様なハイセンスな洗面台や鏡、そして白を基調としたバスルームに高級な水栓金具・・・リビングにはイタリア製のまっ赤なソファーが置かれ、大理石のテーブルの上にはワイングラスがあって・・・とまあ、現実とは掛け離れた想像をする人もいるでしょう。
これは生活感が無いのが一つのポイントでもあります。

「生活感がない・・・」というのはどういうことでしょうか?
仮にあなたが住宅やマンションを購入したとしましょう。
その家の中に入って行き、家具や家電製品のまったくない空間に立っていると、まず「この辺りにテーブルを置いて、テレビをこの角度で設置して・・・」といろいろなレイアウトを考えると思います。もちろん今の財力(サイフの中身)と相談して。(笑)

ここで 家具や家電製品を設置する際に、一つ考慮しておくとよい点をアドバイスいたします。これは私が今までに設計、監理しお引渡ししたクライアントからの生の(現場からの)意見ですので、非常に参考になると思います。

それは何かと言うと・・・
収納スペース(収納家具)の存在です。
確かに 住宅には収納というものが最初からついています。例えば、押入やウォークインクローゼット、場合によっては小屋裏収納がある家もあるでしょう。

しかしその様に「構えた収納」は大きいものを入れておくには便利ですが、いわゆる小物の収納には不向きです。

一番わかりやすい例はTVのリモコンです。
皆さんの家のTVのリモコンは今どこにありますか?
おそらくテーブルの上にポツンと置いてあるのではないですか?
食事の時などそのリモコンは邪魔になりませんか?
ゴハンの食べ残しがついたりしてシミになったりしていませんか?

もしあなたが座っているポジションから動かずにリモコンを収納できるスペースがあったら、間違いなくそこに格納するでしょう。すると今まで生活感があったリモコンが、テーブルの上からなくなりスッキリします。つまり生活感が少しなくなって、テーブルも本来の姿(無駄なものがない状況)になります。

これがインテリアの本質だと思います。もうおわかりいただけたと思いますが、最初にお話しした高級ホテルのサニタリールームがおしゃれに見えるのは、無駄なものが一切なく生活感がないからです。

いくら高級なソファーをリビングに置いても、そこに脱ぎ散らかした靴下や上着があったら、決してインテリア性に優れているとは誰も思わないですよネ。そのソファーの横に上着を掛ける「ちょっとした収納」が必要なのです。

これから引越しをする方は、この「ちょっとした収納」を家具や家電とセットに考えてレイアウトをもう一度考えてみて下さい。これだけで、あなたの部屋もディズニーリゾートのホテルミラコスタに「大変身」すること間違いない・・・かな。(笑)

次回は建築施工には欠かせない「職人さん」の『知られざる世界』です。


 第 11 回  外構工事って本当に必要なの?

外構工事は、とかく建物本体の工事とは切り離して考えがちな部分であります。特に予算的な面で考えるとその費用をあまりとらないで、新築工事に着工する方も多くいらっしゃいます。
確かに駐車場くらいができていれば生活に支障はないのかもしれません。そして本当に予算的にギリギリで着工せざるを得ない現実的な問題もあるかもしれません。

今回はそんな「外構工事は本当に必要なのか・・・」ということについて少しお話したいと思います。結論から言ってしまえば(私の持論としては)外構工事は必要だと思います。それはそんなにお金をかけたものでなくてもよいのです。
それはなぜかと言うと・・・
まず第一に防犯上の役目があります。
建物の廻りに玉砂利を敷くだけでも人の気配を感じられる様になり効果があると言われています。
人感センサー付きの照明を設置するのも外構工事と言えるのではないでしょうか?
夜、不審者が進入した時、その照明だけでも大変効果があります。

次に視覚的効果により、建物をグレードアップさせて見せることができることもあげられます。
庭に、緑の木が1本あるだけで、家の雰囲気はガラリと変わりますし、そこにウッドデッキがあって木製のベンチがあったりすれば自然と夏の日の夕方には、そこで枝豆をつまみにビールで一杯(マイビアガーデン)・・・なんてことになりませんか?

つまり外構工事はあなたを家の内から外へと導いてくれる案内人になってくれるはずです。
外からしみじみと我が家を見てください。
今まで見たことのない家の風貌にきっと感動すると思いますよ。

最後に外構工事は街の財産にもなる・・・ということです。きちんと掃き清められた玄関、磨き込まれたみかげ石のアプローチ、打ち水された緑の芝生・・・これらは道ゆく人たちの目と心を楽しませ、街の資産価値を高めることにつながるのではないでしょうか?

ヨーロッパでは家を建てた後、外構工事にどれだけ手間をかけるかで中古住宅の価値があがり買った時よりも高価で売却できることは、めずらしいことではありません。
日本は「木」の文化ですからヨーロッパの文化がそのままあてはまりませんが『ぜひ、この街に住みたい・・・』という気になる外構があればすばらしいことではないでしょうか?
日本でもこの外構のある住宅だから購入したい・・・というトータルコーディネートされた『家』が誕生してもらいたいと思います。

次回は「室内のインテリア」についてです。


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